強迫症|広島市中区の臨床心理学的援助・カウンセリング「あかつき心理相談研究所」

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強迫性障害

概要
強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder)とは、強迫観念と強迫行為に大別します。
強迫観念とは、繰り返し、しつこく、頭にこびりつく考えや気持ちで、不安や恐怖といった不快感を呼び起こしてしまいます。これは取り払おうと思ってもなかなか自分の力だけでは取り払えないものです。例えば、“手が汚れている気がする”“鍵をかけただろうか?”“人を傷つけてはいないだろうか?”などです。
強迫行動とは、強迫観念による不安や恐怖といった不快感を一時的に軽くしようとする行為です。“何度も手を洗う”“鍵を確認しに戻る”“人を傷つけていないかを確認する”などがあります。行為を行って一時的に不安や恐怖を下げても、また同じような場面に遭遇した時は、“また苦しくなる”と行為を繰り返して時間がかかって日常生活に支障が出たり、“なんでこんなことしているんだろう”と自分を責めて苦しくなったりします。

内容詳細
より明確な具体例として強迫性障害の30歳男性について説明していきます(実際にあった事例としての具体例ではありません)。

彼は自宅を出る前にとき、全てのガス栓や鍵、電気のスイッチを何度も丁寧に確認しないと気が済まないという症状を抱えています。スイッチを切った後、そのスイッチを見ながら5数えてからでないとその場を離れらず、その行為を全てのスイッチや鍵に対して行っている途中で、何か妨害要因(家の中での物音がした、本当に確認できているか不安になった、など)が生じた時、その作業を再び全てのスイッチに対して行わなければ外に出られません。それだけでなく、外に出た後で、少しでも自分の確認行為に対して不安が生じるとすぐさま家まで戻って一から確認しなおしてしまいます。
この症状のため勤めていた会社には毎日のごとく遅刻や早退をしていて、上司から退職を勧告されました。そうして二年前に退職してしまってから、彼はいまだにまともに職に就けないでいます。
彼の話によれば、子供のころからよく物事の確認はしていて、学生時代にも、出かけたあと家にいる母親に電話して鍵やガス栓について確認をしていたのことで、就職して実家を離れてからその症状はよりひどくなり、実生活へ支障をきたすようになってしまったそうです。

解決例
強迫性障害を解決していくにあたって効果的な方法の一つに、「曝露反応妨害法」という方法があります。これは苦手と感じてこれまで恐れていたことにあえて立ち向かい(曝露法)、これまで不安や恐怖を下げるためにしてきた強迫行為をあえてしない(反応妨害法)方法です。つまり不安や恐怖に直面します。これまでの研究から、恐れていることに直面すると初めは不安が上がりますが、持続的に直面する(目安としては数十分程度)と必ず不安が下がります。むしろ、その不安からの回避により嫌悪感や苦手感が更に増大して上がってしまうことが明らかにされています。十分直面することによって不安が下がったとしても、翌日再び直面した時はまた不安になります。しかし前日よりは少し楽になっていて、同様に十分直面することでまた不安が下がります。これを繰り返していくと恐れていることに直面しても不安が上がりにくくなります。このような練習を比較的楽な不安状況からやっていきます。

先ほどの例でいえば、外出するときに鍵やガス栓の確認をしないことがそれぞれどの程度不安なのかを100点満点で聞いていきます(例えば、ガスの確認は70、鍵の確認は40など)。そのうえで、克服するターゲット(目標)を男性と治療者間で協議し、低い点数のことから挑戦していきます。最初は苦しい気持ちでいっぱいですが、不安が下がるまでやりきる経験をしてもらうことで自分に自信を抱いてもらえます。場合によっては宿題として同じことを家庭や日常生活の中でも実施してもらいます

治療の最中に、“これだけはしたくありません”“今日は○○だからできません”などと言ったお話をされ、先に進まないことがあります。その際は必ず、本人に納得し頂いたうえで継続して行い、一日でも早く苦難からの脱却をしていただくこと目指します。

 

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