不登校|広島市中区の臨床心理学的援助・カウンセリング「あかつき心理相談研究所」

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不登校

概要
不登校というのは状態を示しただけの言葉です。
学校に行くのが面倒で行っていない場合もあれば、病気で行けない場合もありますし、クラスメートとの人間関係に不安を感じて行けない場合もあります。
最も一般的な不登校のイメージである、友人関係不安の場合についてご説明しますと、不安を感じている状況への対処と不安のコントロールの二側面でのトレーニングを行う場合が多いです。

内容詳細
仮に中学2年女子のありそうな事例を考えてみます。(実際にあった事例ではありません。)

学校に行く日に朝起きてこなくなり、母親が何度も声をかけやっと起きるような状況が何日か続いた。母親が「最近元気がないけど、何かあったの?」と尋ねても「別に。」としか答えなかった。
ある日、声をかけてもふとんから出てこず、休んでしまった。夕方、担任が家庭訪問をしてくれたが、「ちょっと体調が悪かっただけ。明日は行く。」と明るく応対していた。
翌日はなんとか行ったが、数日後、早退した。そのうちじょじょに休む日が多くなっていった。
母親が問いただすと、「学校に行ってもみんなに無視されるのでもう学校に行きたくない。」と泣きながら訴えた。

解決例

このような状況で多いのは、友人関係で脅威を感じて、その人の近くにいるとイヤなことが起きるかもしれないと不安を感じて教室に行けなくなってしまうパターンです。
まずは学校にどのような状況があるのか、出来事と考えと感情を区別し、善悪の判断をはさまずに聞いていきます。
こういった状況では、対人関係の読み取りで勘違いしていたり、対人関係スキルが不足していたりする場合が多いので、読み取りの幅を広げる練習や、スキルトレーニングをすることが多いです。

さて十分練習ができたらもう大丈夫なのかというとそうとも限りません。大丈夫なはずなのに教室に行こうとすると不安で不安で仕方ないということがよくあります。
この不安から逃げていると教室はどんどん恐ろしい場所になっていきます。そのうち制服をみるのもイヤだということになりかねません。不安に関しては、ちょっとずつ慣れていく作業をしてもらいます。
制服を見るのもイヤなら、まずは制服を見てもらって逃げずにしばらく待ってもらいます。待っていたらだんだん大丈夫になってきます。
今度は着替えて校門まで行ってみます。はじめは嫌で嫌で仕方なくても、待っているとそうでもなくなってきます。こんな風にしてちょっとずつ不安に慣れていき、だんだん教室に近づいていきます。

いざ教室に入るという段階になって強い抵抗がおきることがありますが、励ましを受けながら不安を乗り越えられればなんとかなります。
そのような強い抵抗が起きず、少しずつ近づいているうちになんだか大丈夫になってしまうこともあります。が、経験上、どこかのタイミングで勝負をかける状況が訪れることは多いように思います。
そのようなとき、カウンセラーを含めた周囲への信頼が重要です。信頼がないと”励まし”は”強要”にしかなりません。

教室に入れたらすべてOKかというとそんなことはあまりありません。なんとか我慢して1日を過ごしても我慢し続けていたらいつか息切れします。
不安を我慢ではなく受け流すように、抑え込むのではなく取りこむように援助します。教室で予想外にクラスメートに良くしてもらっていい気分になれても、しばらく見守りが必要です。
クラスメートが親切なのは最初だけのことが多いからです。不登校だった生徒が教室にいることが日常になれば、それまで気をつかってくれていた生徒も普通に扱うようになるでしょう。
この変化が、不登校だった生徒には「みんな冷たくなった」と見えることがあります。この時期に生じた不満・不安を「あ、これでいいのか」に変えることができれば、カウンセラーの仕事は終了です。

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